雅話§百人一首考[68]~こころにも~

[承前]

三条院(さんじょういん)

心にも あらでうき世に ながらへば
恋しかるべき 夜半の月かな


第68首までたどり着いた。残りは32首である。あと4カ月ほどで百首
コンプリートなのだが、いささか消化不良な企画になってしまった気
がする。

そもそも歌心が理解できていないから、とってつけたような解釈と、
個人的な見解をまとめるだけのエントリーになってしまったのは反省
すること大ということなのだ。

それでも、百首についてとにもかくにも書きあげることで、一つでも
得ることがあればということで、もう少しがんばってみる。

……三条院は不遇の人だったようで、権勢を誇り“望月の欠けたるこ
とのなし”と詠った藤原道長と対立し、道長の力によって退位を余儀
なくされた。

そんな自分の境遇を嘆きつつ詠んだのがこの一首で、退位を迫られて
いるという渦中にあった時の生々しい歌なのである。そしてこの歌を
詠んだ翌年40歳で退位、翌年にはこの世を去るとは、何という悲劇的
な帝であったことだろう。
                            [続く]

《百人一首のトピックス一覧》

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック