雅話§百人一首考[69]~あらしふく~

[承前]

能因法師(のういんほうし)

嵐吹く み室の山の もみぢ葉は
竜田の川の 錦なりけり


何とも“今の季節のお約束”のような一首ではないか。竜田川は、在
原業平が「ちはやぶる神代も聞かず」と詠った、あの竜田川である。

春の桜と秋の紅葉と、この二つは日本人が古代より愛で続けてきた風
物で、何はなくともと、多くの人が描いてみせたり、詠ってみせたり
と、日本人の感性を刺激する代表と言っていいだろう。

というわけで、竜田川が紅葉の名所とは今でも変わりがないようだ。
定年退職後、何をするかという中に日本を見て回ることが目標として
掲げられている。あそこにもあそこにも行きたいと目的地選びに頭を
悩ますことになる。それほど日本を歩いていないことに気づくのだ。
                            [続く]

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