雅話§百人一首考[88]~なにはえの~

[承前]

皇嘉門院別当(こうかもんいんのべっとう)

難波江の 芦のかりねの ひとよゆゑ
みをつくしてや 恋ひわたるべき


いにしえにおける男女の出会いの場がどのようなものであったのか、
市井の民と公家の人々と、当然ながら状況は違っていただろうから、
ここでは公家のほうがどうだったのか考えてみる。

女性が公的な場に席を連ねることは考えられなかったから、もう少し
カジュアルな歌の会だったり、花見とか月見の会のような席において
というのが、最初に考えられる。あるいは高位の公家の用を行うべく
召し出されてという場でもって、当時の女性は異性の眼に入ることに
なったのだろう。

その先はたぶん、今以上にあけすけに歌を贈ったりする、おなじみの
声掛けがあり、そこから先へと進んだだろうと想像するのだ。

まあ、御簾越しに見えた姿に惚れてしまって……などということは、
日常茶飯だったと思われる。ただ、どちらにしても最初に関しては、
男性の側からだけのアプローチに見えてしまって、女性にアプローチ
する権利はなかったのかと思ってしまうが、そのあたりは当時の状況
を調べてみなくてはならない。
                            [続く]

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