眩話§ツィメルマンのシューベルト

東京に数cmの積雪があった月曜日の夜、武蔵野市民会館の小ホールで
クリスチャン・ツィメルマンのオール・シューベルト・プログラムを
聴いた。

シューベルト:7つの軽快な変奏曲 G-Dur
シューベルト:ピアノ・ソナタ第20番 A-Dur D.959

*********************休憩*********************

シューベルト:ピアノ・ソナタ第21番 B-Dur D.960

[アンコール]
シマノフスキ『9つの前奏曲』Op.1-1

前半の2曲は続けての演奏。10分足らずのかわいい変奏曲は、いわば
手慣らし&指慣らしということろで、まずは20番。

……シューベルト後期のソナタは、ここ数年でようやく親しむように
なったが、いまだ実演も録音も多く聴いているわけではない。そんな
中にあって20番については“あれ、こんな曲だったっけ”と違和感を
抱きながら聴いていた。ツィメルマンの豊富な音色の引き出しに飽和
したような気がした。こういう色だという我が身のイメージとの乖離
が埋められないまま演奏が続いていく。

辛うじて3楽章は自分のイメージに近かったものの、4楽章は置いて
けぼりを食ったように、ツィメルマンのピアノが、どんどん先に行っ
てしまったような印象である。

どうも、ツィメルマンの音色のパレットから描かれるシューベルトの
音楽と、自分のイメージとが乖離している印象が強く感じられて、こ
ればかりは溝がうまるわけではないからなあというところで休憩に。

そして21番……冒頭の、くぐもっていて、確かめるような足取りのフ
レーズにもツィメルマンは色付けを試みるが、20番ほどの違和感を感
じることはなかった。

ただ、21番になって咳き込みそうになることが増えてしまったので、
3楽章と4楽章は飛ばし気味に聴いてしまったような気がしている。
知らない曲だったら、まだ終わらないかと思うところだが、耳に慣れ
てきたおかげで、聴く側のペースも何とかなったと思う。

アンコールは初めて聴くシマノフスキ。

風邪気味ということと交通費を考えて、我が家から車で往復したが、
武蔵野までおよそ一時間。幹線道路の雪は、センターラインか歩道側
の寄せられて、走るのに不便を感じることはなかった。費用もそうだ
が、何よりも電車とバスを乗り継ぐよりもはるかに短時間で行き来で
きたのはありがたいこと。

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