痙話§ハンブルク・バレエ~ガラ公演~

“ジョン・ノイマイヤーの世界”というタイトルの公演である。ノイ
マイヤー自身のダンス人生を俯瞰してみせてくれた。

これが実にすばらしい舞台……平日公演だったので、少し空きが目立
つ客席だったけれど、居合わせたほとんど全員が満足してカーテンコ
ールを繰り返したのである。プログラムは以下の通り。

【第一部】

『キャンディード序曲』(『バーンスタイン・ダンス』より)

『アイ・ガット・リズム』(『シャル・ウィ・ダンス?』より)

『くるみ割り人形』

『ヴェニスに死す』

『ペール・ギュント』

『マタイ受難曲』

『クリスマス・オラトリオⅠ-Ⅵ』


【第二部】

『ニジンスキー』

『ハムレット』

『椿姫』第2幕のパ・ド・ドゥ

『作品100-モーリスのために』

『マーラー交響曲第3番』

冒頭『キャンンディード』の群舞で先制パンチを喰らって、その後は
すっかりノイマイヤーのペースにはまってしまったというところか。

個人的には、マタイ受難曲の第一曲に始まって“ペテロの否認”へと
繋げたところで、すっかり降参の体となり、その後クリスマス・オラ
トリオで一気に解放されたという……プログラミングの妙である。

第二部『作品100-モーリスのために』は、亡きモーリス・ベジャール
へのオマージュだったが、使われた音楽がサイモン&ガーファンクル
の『旧友』と『明日に架ける橋』とは何ともベタな選曲と、かつての
フォークソング好きは感じたけれど、若い人たちにはどれほど伝わっ
たものか。

そうして最後のマーラーまで、間然とするところのない2時間半のス
テージを堪能した。いつも思うことだが、もうちょっと、あと少しで
も理解できるところが増えてくれればと思うけれど、今の感性は、あ
くまでもここまででしかないと、そんな自分を慰めながら、雨の降り
続く都心から多摩丘陵の我が家へ車を走らせたのだった。

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