連話§ワタシの酒肴[91]狂喜のバター醤油

[承前]

先日のこと、居酒屋で“新じゃがと浅蜊の煮物”を注文した……ちょ
っと珍しい組み合わせかなと思ってのことで、ややあってテーブルに
届いたのは、やや濃い色の一品だった。

食べてみたらバター醤油の味付けになっていて、普通なら浅蜊バター
であるところに醤油風味が加わっていたのである。そして、これが料
理に合うのである。

今さら言うまでもないことだが、醤油とバターの相性は驚異的なもの
があって、その組み合わせで最初に食べたのが、子供の頃の“バター
溶かし醤油ご飯”だった。炊き立てのご飯にバターを溶かして醤油を
垂らしてやる……それだけでもう魔法のようにご飯を食べることがで
きたのだ。

そんなバターと醤油の相性が最高に発揮されるのは、醤油に焦げ薫が
プラスされた時で、それは例えばバタートーストに醤油を垂らしてみ
れば一味瞭然なのである。

トーストについて付け加えるならば、最高のさらにその上と思われる
のは、焼き上がったパンにバターを塗り、そこに“江戸むらさき”の
ような海苔の佃煮をのせてやるのだ……これぞまさに和魂洋才の極致
と言ってもよろしい。
                            [続く]

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