週話§日曜些事~團菊祭五月大歌舞伎~

お目当ては、夜の部一本目の『勢獅子音羽花籠』だが、菊之助長男で
2歳5か月の寺嶋和史が初お目見得という御祝儀舞台である。

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言うまでもなく父方祖父が七代目菊五郎、母方祖父が二代目吉右衛門
という……いわばサラブレッドそのものという孫であるが、祖父二人
や父親がそうであったように“ひとかどの”役者になれるかどうかは
わかるはずもない。

それにまあ彼が30歳になる頃、我が身はこの世から消えてなくなって
いる可能性のほうが大きい。しかも歌舞伎の世界において30歳の役者
など緒に就いたばかりとしか言えずなのだ。

何度も何度も言っていることだが、歌舞伎を観始めるのは、できるだ
け早いほうがいい。二十代からスタートすれば、まさに父親や祖父と
同世代の役者の円熟した芸を観ることができるし、同年代の若手役者
が育っていく様子もつぶさに観られる。さらに彼らの息子の初お目見
得や初舞台を観てという、三代から四代に亘る壮大な流れを楽しめる
のである。

だから、50歳直前から歌舞伎を観始めたということは、かなり痛恨事
であると言わざるを得ない。せいぜいがとこ二代半くらいしか世代交
代を見ること叶わず、例えば一歳年下の十八代目勘三郎は全盛期10年
ほどは観たが、若手花形時代を観ておらず、息子の勘九郎、七之助が
そこそこになるまでを観ることはできるだろうが、勘九郎長男の七緒
八まで観ることはできないということだ。

というわけで感想は週明けゆっくり。

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