演話§オーケストラ奏者という職業

ついこの間の事である。アトランタ交響楽団の87歳になる女性コント
ラバス奏者がステージで亡くなったというニュースを眼にした。もち
ろん最高齢オーケストラ奏者であることに間違いはない。



ということとは別に、アメリカのオーケストラでは時折見かけるよう
な気がしている……いわゆる“弾力的運用”という奴なのかどうか、
そういえばシカゴ交響楽団の首席トランペット奏者アドルフ・ハーセ
スも、80歳までその地位にあった。

オーケストラの成り立ちの問題なのか、ともかく詳しいことはわから
ないけれど、おおむねヨーロッパのオーケストラは定年制が確立して
いるようで、65歳だったらその年齢で退職――特例延長はあるが――
して、その後はエキストラでコンサートに出るという程度である。

それがどうもアメリカの場合は“いられるだけ在籍する”ような感じ
があるようなのだが、実際のところはどうなのだろう。そうなると、
新旧交代という状況が生まれにくく、新しい血が入りにくい環境のよ
うに思うのだが。

以前、ドイツの歌劇場で打楽器奏者をしている知り合いに「ステップ
アップするつもりはあるか」みたいなことを聞いた時「どこそこのオ
ケの打楽器奏者は何歳で、いつが定年」ということを2、3ケース挙
げて、それがどれほど大変なのか教えてくれたが、定年があってなき
が如くだったりすると、空きポストがいつ生じるものなのかと、実に
不確定で不合理ではなかろうか。

《オーケストラのトピックス一覧》

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