連話§ワタシの酒肴[99]ポテトフライ

[承前]

意外にも我が田舎町で子供の頃から親しんでいた揚げ物が東京には存
在していない。もう長いことご無沙汰し過ぎて、そのことに気づいた
のは、ずいぶん後になってのことだった。

その名を“ポテトフライ”と言って、肉屋の揚げ物売り場には必ずと
言っていいくらいに置かれていたのである。中ぶりのじゃがいもを4
つくらいに切り分け、それを串に刺してパン粉をまぶして揚げるわけ
だから、もちろんフライドポテトともまったく違う、いわば団子風の
“いも揚げ”なのだ。

これが田舎町の肉屋の揚げ物コーナーで普通に売られていて、しかも
安いので、惣菜として買ってくることも多かった。まあ、貧乏な家族
だったから、とんかつを張りこむようなことなど、稀なことだった。

それが最寄り駅に併設しているショッピングセンターの唐揚げ専門店
に置かれているのを眼にしたのだ。ただし一本の串に2個付けという
もの。やや大ぶりなので、食べごたえを考えてのことであろう。

だが、そこはチープ感漂う3個、あるいは4個の連なりにしてほしか
ったところで、それは残念である。なお、我が田舎町周辺に“お子様
洋食”なる、じゃがいもをソースで炒めた焼きそばのサイドメニュー
があることは既に書いたが、ポテトフライとの関連性があるかどうか
残念ながらわかりかねる。

今でも売られているのであれば2本ほども買って、そうすればビール
のいいアテになてくれるだろう。
                            [続く]

《酒肴のトピックス一覧》

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック