若話§六月大歌舞伎第一部~碇知盛~

歌舞伎座のお客が減るのは“にっぱち”だけではないということだろ
う。松竹もそのあたりのリサーチはできているようで、今月は三部制
で『義経千本桜』通し上演を出してきた。

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今回はそのうち第一部『碇知盛』と、第三部『狐忠信』を観ることに
している。第二部の『いがみの権太』は幸四郎が務めるのでパスした
のである。

というわけで平日16日11時開演の『碇知盛』だが、渡海屋銀平にして
平知盛を務めるのは染五郎で、今回の歌舞伎座が初役。猿之助が典侍
の局を務めるが、今月は染五郎と猿之助の奮闘公演で、第一部のこれ
に始まって、第二部『いがみの権太』では猿之助のお里に、染五郎が
中将維盛(弥助)を、第三部『狐忠信』の道行で、猿之助の忠信に染五
郎が静御前という珍しい顔合わせ。

さて『碇知盛』である。まずもって染五郎の渡海屋銀平の花道からの
登場が軽い。細身の二枚目だから、仮名手本の勘平や玄冶店の与三郎
といったあたりが役としてははまるので、祖父幸四郎や先代松緑のよ
うな貫録を必要とする知盛のような役をものにするには、もう少し時
間が要るだろう。ただし台詞のほうは、彼特有の甲高い声が抑えられ
て、工夫の跡が見られた。

それからすると猿之助の典侍の局は、女房お柳から存在感があった。
それにしても、通しで典侍の局、お里、忠信と三役を務めるなどと、
過去に、そんな役者がいただろうか……今の役者だと、猿之助以外に
菊之助に可能性はありそうだけれど。

義経は松也、弁慶に猿弥、相模五郎が右近、入江丹蔵を亀鶴という配
役で、安徳帝を右近長男タケルが初お目見得で務めた。

『碇知盛』の後には、ほとんど新作という舞踊劇『時鳥花有里』が。

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