緑話§バイロイト音楽祭2016開幕

さて、アンドリス・ネルソンスが土壇場で降板した『パルジファル』
の指揮は7月5日にハルトムート・ヘンヒェンを起用するという音楽
祭当局の発表があって何とか体裁を取り繕ったというところだろう。
ヘンヒェンはドレスデン出身。先年新国立劇場でも『ヴォツェック』
を振った指揮者なのだ。

それにしても3週間ほどで彼自身の音楽を仕上げることなどは可能な
ことなのかと心配している。で、本日が初日なのである。

現地の様子がどうなっているのか窺い知れないが、今回のネルソンス
降板で、あれこれ要らぬコミットをしていた“音楽監督”クリスティ
アン・ティーレマンの評判が低下しているのではないかと想像するの
だが、付け加えるなら去年まで3年間『ニーベルングの指環』を振っ
ていたキリル・ペトレンコが、評判がよかったにもかかわらず2年を
残して降板したのも、ティーレマンの横槍があったからだと聞いた。

卑小な話だが、そういう人間は会社にもよく存在している。自分自身
が習熟した仕事は、他人にまかせようとしても“彼自身のやり方”で
ないと気に食わないというやつである。要するに箸の上げ下ろしから
気に入らないのだ。

人格者であれば、そんなことを見せずに黙ってまかせていくところ、
狭小な考えに凝り固まっているから、あれやこれやと口出しをするわ
けだが、誰が“クリスティ[アン]ドリス・ネルソンス”による『パル
ジファル』を聴きたいと思うものか。

あるいは、優れた才能の人間をいびり出すということもあるのではな
いかとも考えている。要するにティーレマンという人間がその類であ
るということだけはわかってしまった……超!性格が悪いのだ。

ということで、先々ティーレマンについては問題含みで推移していく
ことと思われるが、総監督カタリーナ・ワーグナーお気に入りである
だけに難しい問題を抱えそうで、8月28日の音楽祭最終日まで、眼が
離せないところである。

《憬話§我々の“バイロイト音楽祭”2008.08》

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