欧話§老後旅事始~今日は休養日[下]~

[承前]

朝を比較的しっかり食べるから、旅行中の昼食は13時を過ぎてのこと
が多い。この日もそんなわけで13時過ぎに、音楽祭に来る時に何度か
食べている中華料理屋に行った。

バイロイトでもアジア系の食べ物屋が増えていて、ヴェトナム料理店
やタイ料理店もあるが、結局無難な中華料理屋に落ち着いてしまう。

店に入り、見慣れた席に案内され、もちろんビールを注文。同居人は
ジャスミンティーと酸辣湯、そしてどこに行っても同じ“牛肉と玉葱
炒めライス付き”一人前を頼む。これで夫婦二人が十分に満足する。

これがうまいとか、これが好きとか、そういうわけではない……そも
そも日本の中華料理屋に似たようなメニューがあるのかどうか確認す
らしていない。要するに、ドイツやオーストリアを旅行している時の
安心マークということなのだ。

かくして、いつものように満足して店を出る。すぐ近くにワーグナー
の“パロディー劇”の上演ポスターがあったので写真を撮る。今回の
タイトルは『Tristan oder Isolde-トリスタン“か”イゾルデ』とい
うことで興味はそそられるが、観に行くところまではいかずじまい。

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ホテルに戻るのに遠回りをして市立墓地を歩いた。ワーグナー家の墓
標には2010年に亡くなった前音楽祭総監督ヴォルフガング・ワーグナ
ーの名前が加わっていた。

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2008年に墓参りをした時の写真は下のものである。

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半世紀にわたって総監督の地位にあったヴォルフガングが、天国で考
えていることはどんなことだろうか。そういえば『パルジファル』の
開演前、我々の横に立っていたのが、カタリーナと共同で総監督の地
位にあって先年辞任したエーファ・ワーグナー=パスキエであること
に気がついた。

音楽祭を離れ、ある意味では気楽な一観客として観に来ているという
風情だったのである。

墓地を出て、ホテル近くの洗濯屋で洗濯物を引き取ってホテルに戻っ
たタイミングで劇場に向かう送迎バスが出発を待っていた……夕食は
一昨日にも行ったビアガーデンで気楽に済ませたのである。
                            [続く]

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