欧話§老後旅事始~オランダ人[上]~

[承前]

そして、あっという間に最終日がやってきてしまった。物足りないと
いえば3演目だけでは何とも物足りない……観始めるまでは何だかん
だと文句を連ねるが、終わりが近くなると後を引き出すという罠だ。

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劇場に着き、最後のケーキとコーヒーで腹を収める。が、それにして
もケーキの甘さが強烈だったと、ここまで甘いケーキはドイツあたり
でも珍しい気がする。

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というわけで『さまよえるオランダ人』である。序曲に続いて幕が開
くと、ダーラントと舵取り(Steuermann)の2人が拍子抜けするような
小舟に乗って、何やらコミカルに打ち合わせをしている。

ダーラントは“扇風機会社”の社長、舵取りは営業部長というところ
だろうか。1960年代アメリカの“ソープオペラ”みたいな感じがしな
いでもない。

どうやら“会社の身売り”を考えているようで、そんな相手を探して
いるようにも見える……というところにオランダ人が登場。M&Aの
スペシャリストという設定だろうか。ビジネスマンの出張姿である。

かくして、コミック路線の『さまよえるオランダ人』なるものに戸惑
いながらも劇は進行していくのだ。
                            [続く]

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