懐話§昭和三十年代~餅~

[承前]

子供の頃、この時季の楽しみといえば餅である。寒くなって、暖房代
わりの火鉢が出るようになると、必ず“賃餅”を注文していたのだ。
実家のすぐ近くになじみの和菓子屋があって、そこで搗いてもらった
のである。

11月頃に一回と、年末の鏡餅と一緒に一回とか注文していたのではな
かったかと記憶しているが、食べ盛りにしてみればありがたかった。

朝昼晩の食事とは別に、学校から帰ってきてのおやつとして2個くら
いを食べていた。和菓子屋からは大きな長方形の餅がそのまま届けら
れて、祖母や母親が切り分けて保存していたのを取り出しては火鉢に
のせて焼くのだ。

小学校高学年の頃だったと思うが、ノーブランドのインスタントラー
メンを常備するようになった。段ボール箱の中にむき出しの乾麵がご
っそり入っていて、粉末スープが別に添付されていたのである。

それからである……インスタントラーメンを作ったその中に、焼いた
餅を入れた“力ラーメン”を食べるようになったのは。ノーブランド
とはいえ、別にまずいということもなかったので、学校から帰ってき
て、格好のおやつとして日々平らげていたのだ。

それだけ食べても、18時過ぎには夕食もきちんと食べていたのだから
恐るべしではありませんか。
                            [続く]

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