江話§上京日記[3]代々木の下宿で夕食

[承前]

さて夕食であるが、これもまたきっちりと作っていた。予備校につい
ては後述することになるが、通っていたのは午後クラスだったので、
出かける前に米を研いで炊飯器に仕掛けておいた。

夕方早くに予備校から戻ってくると夕食の支度をするのだが、基本は
一汁一菜である。味噌汁は1杯しか作らない。おかずは、とりあえず
ボリューム重視だが、好き嫌いも多かったので単調になるのは否めな
かった。

よく作ったのはコーンビーフとじゃがいもの炒めである。ただしコー
ンビーフとはいっても“ニュー・コーンビーフ”と呼ばれていたやつ
で、牛肉以外に豚肉などが混じった値段の安いものだった。後日、正
しいコーンビーフを食べられる境遇になったが、どのように味が違っ
ているのか……記憶に残っていない。

その他、豚の細切れ肉を買い、それと生姜やニンニクをすりおろし、
醤油や砂糖と合わせたタレに漬け込んで“何ちゃって生姜焼き”みた
いなのも作っていたのだ。

予備校に行く前に研いだ米はきっちり一合。保温のできない炊飯器だ
ったから、多めに炊くわけにもいかず、結局は一合炊いて食べきって
いたのだ。もっと食べられたかもしれないが、それでもドカ食いする
ことはなかった。

ちなみに、買っていた米は当時広く流通していた“標準価格米”とい
うあれである。
                            [続く]

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