握話§味噌おにぎり

味噌を塗っただけのおにぎりが好きだった。

食べたのはもう数十年前の“食べ盛り”だった時のことである。学校
から帰ってきて、おやつがあればそれを食べ、それがなかった時は、
祖母だったかがおにぎりを作ってくれた。

その時、塩か味噌かリクエストを聞かれて、もちろん1個で足りるは
ずもないので“塩と味噌!”と、1個ずつ食べたという記憶である。

なぜ唐突にこんなことを書いているのかと言えば、見ていないのだが
先週民放の番組で「味噌おにぎりは東日本の……特に北関東の人が食
べていた」という趣旨のトピックスがあったからだ。

自分自身は、ごく普通に日常の食べ物として認識をしていたのだが、
どこでも食べられているものではなく、地域限定要素の強い食べ物で
あったことに驚かされた。

おやつとして食べていたのは、昭和三十年代から四十年代にかけての
ことで、その当時の我が家のご飯は釜炊きだったから、保温などされ
ておらず、冷や飯をそのままおにぎりにしてくれたのである。

だから後年、居酒屋の締めご飯で味噌おにぎりを注文したら、焼かれ
た味噌おにぎりとして出てきた時に“世の中にこんなうまいものが”
と、素朴に感動したのだったが、同時に小学生の自分に食べさせたい
と思ったのだった。

祖母は、醤油の焼きおにぎりは作ってくれたが、焼いた味噌おにぎり
は知らなかったようだ。

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