異話§お雑煮ひとつとっても・・・・・・

井の中の蛙が何とやらで、自分の周りだけで判断してそれがすべてで
あると思い込むことがいかに危険なことかと……そういう例は枚挙に
暇がないのだ。

雑煮なんかがその典型みたいなもので、何かを読んでいたか、テレビ
を見ていた時に、京都の雑煮が丸餅で白味噌仕立てということを知っ
た時には、思わず“そんなん雑煮じゃないやんか”と思ったりしたの
だが、その後餡入り餅の雑煮、小豆雑煮などなどの存在を知っていく
ことで、地域によってさまざまな雑煮が存在していることを知った。

味付けも、中の具もバリエーションに富んでいて、それこそ隣の家の
雑煮だって、自分の家のそれと違うかもしれないのだと思ったのであ
る。

そうして異なる他者の存在を否定することなく認めていくことが必要
なのだと、知らず知らずのうちに学んでいたように思うが、そんなこ
とすら考えることなく、相変わらず“唯我一番”と思い込む人たちが
少なくないのは残念でならず、それが他者との軋轢の元であることに
気がついていない。

ちなみに実家の雑煮はといえば、煮干しなどで出汁をとったお澄まし
で、中の具は焼いた角餅とほうれん草、食べる時に焼き海苔と鰹節を
揉み入れて食べるというシンプルさだが、朝酒も辞さずに四十代で死
んだ祖父が、散々酒を呑んだ後は簡単に食べたいという、そんなリク
エストの雑煮だったのではと想像しているのだ。

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