板話§壽新春大歌舞伎~右團次襲名披露~

先週の木曜日、新橋演舞場で行われている市川右近改め三代目市川右
團次の襲名披露興行に行ってきた。

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演目は『源平布引滝』から“義賢最期”の後に口上があり、右團次の
襲名狂言『錣引』があって、最後に猿翁十種から『黒塚』というもの
である。

“義賢最期”は海老蔵の義賢。久々に海老蔵であるが、一時ほどの妙
に上がり下がりが極端な口跡は影を潜めたと感じたけれど、どことな
く他人事で性根の薄い舞台と感じてしまった。

続く口上は、梅玉の引き合わせに始まり、何ともすっきりとした仕立
てになっていて、よかった。口上に右之助が列座していたのは、彼の
祖父が二代目右團次にあたるということから。81年ぶりに復活する名
跡なのだ。そして屋号は髙嶋屋ということで左團次と同じである。

3つ目『錣引』も、義賢最期と同じく源平物で、それほどぱっとした
舞台とは思えず、正直なところ退屈な舞台。

我々のお目当ては最後の『黒塚』で、猿之助が踊る安達原の鬼女を観
ておきたかったのだ。一昨年歌舞伎座で観た時は阿闍梨祐慶を勘九郎
が務めたが、今回は右團次だった。

テーマは古怪そのものだが、猿之助の切れのいい踊りは安達原の鬼女
を的確に描写して、いよいよ自分の芸として確立させたようだ。この
先、彼の黒塚に何度出会えるだろうか……舞台を観るたびに多くの刺
激を受けそうである。

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