臨話§日本国内の原子力発電所の現状[下]

[承前]

福島第一原子力発電所大事故で破壊された原子炉を冷やすために使わ
れた“冷却水”についてであるが、原発敷地内に設置された貯留タン
クの容量はおよそ百万トンというものだが、汚染された冷却水の総量
は2月上旬時点で約96万トン、タンクの空き容量は5万トン近くとな
っている。引き続き汚染水は増え続けている……冷却水その他の問題
についてはこのブログが詳しい。

次に、フクイチ事故による福島県内外への避難民の数は、2012年5月
における16万4865人をピークに、先月時点では7万9446人と半数以下
までになった。だが、フクイチの所在地である大熊町では依然として
1万人以上の町民全員が避難者として、帰還の目途は立っていない。

福島第一をはじめとする廃炉や使用済み燃料再利用など原発の後始末
にかかる費用だが、2013年時点で11兆円という試算だったのが、最新
では21兆円余と倍増した。こうした費用は東電が負担すべきところで
あるにもかかわらず、国は国民に負担を押し付けようとしている。

最後に、原発事業の中核を担っていた東芝が、決算を発表できないま
までいる。およそ7千億円を超える負債を抱えているとみられるが、
アメリカ原発メーカーであるウエスチングハウス社の買収に伴う巨額
の赤字が原因なのだ。

こうして国策で原発事業を行っているがゆえに、2011年3月11日以降
は明らかなお荷物部門と化して抜き差しならない状態に陥っているの
である。しかも優良部門を売却して命脈を保とうとは何という愚行。

こうした状況を打開する道はただ一つ、原子力産業から廃炉産業への
転換しか考えられない。廃炉への道のりはどれほど長くかかるものか
わからないが、少なくともその間の長期に亘る費用は保証されている
と言ってもいいだろう……廃炉は必要不可欠な最終目標なのだから。

《脱原発のトピックス一覧》

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