悼話§クルト・モルさん(オペラ歌手)

クルト・モルを初めて聴いたのは1984年のハンブルク国立歌劇場日本
公演『魔笛』のザラストロだった。彼の深々としたバスの歌声を聴き
ながら、ザラストロがそこにいると感じた記憶がある。

その後、ミュンヘンやウィーンのオペラハウス来日公演で様々な役を
聴いた。1988年バイエルン国立歌劇場『ニュルンベルクのマイスター
ジンガー』ではエファの父ポーグナーを、2001年のバイエルン『トリ
スタンとイゾルデ』でマルケ王を、極め付けとして1994年にクライバ
ーが振った、ウィーン国立歌劇場『ばらの騎士』オックス男爵など。



深いバスの歌声には何より品があった。そんな意味では、少しばかり
上品に過ぎたオックス男爵ではあったが、それも人柄であろう。上の
映像は1994年にウィーン国立歌劇場上演された時のもので、第2幕の
幕切れ。54分頃からワルツをバックに歌われるオックスの歌である。



そして2006年7月31日、バイエルン国立歌劇場で『ニュルンベルクの
マイスタージンガー』第2幕の夜警を歌って引退をした時、カーテン
コールの様子を舞台袖から撮影していたものと合わせて。享年七十八

合掌

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