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zoom RSS 錨話§三月大歌舞伎昼の部〜仁左衛門〜

<<   作成日時 : 2017/03/22 00:01   >>

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今月の歌舞伎座は、仁左衛門の碇知盛が観たくて昼の部のチケットを
買っていたのだ。昼の部はその他に『明君行状記』と『神楽諷雲井曲
毬〜どんつく〜』の三本立て。

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一本目『明君行状記』は苦手な真山青果ものだったが、意外な拾い物
で楽しんだ。前半は“いつもの真山”で、これが後半も続くのかと挫
けそうになったが、評定の場では一転して池田光政が青地善左衛門を
巧みにやり込めるところは、一つの喜劇として楽しめた。

5月に父の名跡彦三郎を襲名する亀三郎が善左衛門を務めたが、これ
だけの主役をというのは初めてではないだろうか。光政が明君である
ことに疑いを持つ善左衛門を一直線に演じて見せたのは見事。

何より口跡がきっぱりとメリハリが利いているので、善左衛門のキャ
ラクターと合って心地よく楽しんだ。そんな亀三郎を、梅玉の光政が
巧みに受けて、思わぬ儲けものである。

そして『義経千本桜』から『渡海屋』と『大物浦』が仁左衛門の渡海
屋銀平実は新中納言知盛平、時蔵初役で女房お柳実は典侍の局という
顔合わせ。

上方の型ということか、渡海屋冒頭で弁慶が眠っている“安徳帝”を
またごうとして足がしびれるエピソードを省略していたのは驚いた。
花道から渡海屋銀平の出は颯爽としてすっきり、それが仁左衛門で、
そして何より口跡が聞かせるのだ。

そして大物浦。義経に諭されて安徳帝を源氏に委ね、碇もろとも入水
するまでの濃密さ。これも上方の型だが、喉の渇きを癒やすために、
刺さった矢を抜いて血を啜る凄みもまた息を呑む思いだった。

最後、足の裏を見せて仰向けに飛び込む場面は、年齢を考えて慎重に
という印象だったが、初役が2004年という遅いスタートを考えれば、
よくぞここまで作り上げてくれたものだと感謝したい。

梅玉の義経、彌十郎の弁慶、巳之助の相模五郎、猿弥の入江丹蔵。

最後、三津五郎三回忌追善『神楽諷雲井曲毬〜どんつく〜』は一座勢
ぞろいしての賑やかな舞台だが、三津五郎が亡くなって丸2年とは。

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