輪話§神々の黄昏~東京・春・音楽祭~[下]

[承前]

前回書ききれなかったことを追加しつつ簡単にまとめておく。

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舞台奥の映像はどうしても陳腐としか思われず、わざわざ見ようとか
そういう気にもならなかった。座った席からは日本語訳詞がいい塩梅
に見えたのは演奏会形式のオペラ鑑賞にとっていい助けになった……
訳詞は広瀬大介。

2幕、ハーゲンがギービヒの軍勢を招集する場面でステージ前面両サ
イドに、ピストンなしのアイーダトランペットが使われたが、見よう
によっては南アフリカの“ヴヴゼラ”金属版にも見えた。いつだった
か、あの場面で軍勢にヴヴゼラを持たせればと思った記憶がある。

オペラシンガーズによる合唱は、やや折り目正し過ぎるかとも思った
が、迫力ある歌声がホール内に響き渡って満足した。演奏会形式のい
いところは、オーケストラとずれることもなく、細部まで聴き取れる
のだ。

3幕、我々が座った位置からステージ下手奥袖にハープが3台。ステ
ージ上の5台と合わせて計8台が置かれているのが見えた。スコアの
指定は6台で、どういうことかと思っていたら、奥の3台だけを演奏
するところがあった。そこから指揮者は見えないので、副指揮者がサ
ポートしていた……効果のほどは聴き取れなかったけれど、何とも贅
沢な仕掛けである。

演奏時間は以下のとおり。1幕1時間50分、2幕60分、3幕75分で、
各幕とも5分から10分早めのテンポ。これはラインの黄金から変わる
ことのないヤノフスキのテンポだった。

前にも書いたとおり、舞台の動きがない演奏会形式としては、速めの
テンポで音楽がサクサク進んでくれたのはありがたいことである。

かくして、2014年から4年かけての指環上演はおしまい。来年は『ロ
ーエングリン』が予定されているようだ。

《憬話§我々の“バイロイト音楽祭”2008.08》

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