着話§コンサートの衣装様変わり

クラシックのコンサートで男性が切る衣装といえば、燕尾服かタキシ
ード、マチネーであればモーニングかディレクターズスーツあたりが
かつてのお約束的定番だった。

徐々に時代は変わって、たぶん21世紀に入る前後のことだっただろう
かと記憶しているが、ノーネクタイのシャツにジャケットを羽織って
登場、あるいはシャツだけで演奏をという人たちが増えてきたのだ。

さすがにオーケストラの団員は変わらず燕尾服やスーツ姿だけれど、
協奏曲の独奏者は上記のそんないでたちだし、指揮者だって詰襟風の
ジャケットで仕事をしていることも珍しくない。

ノーネクタイにジャケットで最初に登場した指揮者といえばヘルベル
ト・フォン・カラヤンが、写真のような白いタートルネックシャツに
スタンドカラーのジャケットを着ていたのが記憶に残っている。

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その後、小澤征爾なども後を追いかけていたし、独奏者ではフルート
のオーレル・ニコレがジャケットに白いタートルネックシャツで演奏
しているのを見ているが、そこから類推したことは、燕尾服に蝶ネク
タイ姿だと、楽器によっては演奏しにくそうだと思ったのだ。

まず、管楽器奏者は蝶ネクタイで首が苦しいのではないかということ
に始まり、ヴァイオリンやヴィオラもシャツの襟や蝶タイが邪魔そう
に思われる。そしてティンパニやピアノを演奏する時には袖口が楽器
本体に引っかかりそうではないだろうか。

事実、打楽器奏者やピアニストは、シャツの袖口がほつれたり破れた
りすると聞いたが、かくして時代は変わり、イギリスのテナー歌手イ
アン・ボストリッジは、こんなスタイルでシューベルトの『冬の旅』
を歌うのである。

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