巴話§ペトレンコ&バイエルン国立歌劇場管

楽しみにしていた6月のコンセルトヘボウの演奏会をキャンセルした
キリル・ペトレンコとようやくの初対面である。

バイエルン国立歌劇場管弦楽団
指揮:キリル・ペトレンコ

グスタフ・マーラー『こどもの不思議な角笛』
ラインの伝説
トランペットが美しく鳴り響く所
浮き世の生活
原光
むだな骨折り
死んだ鼓手
少年鼓手

バス・バリトン:マティアス・ゲルネ

******************休憩******************

リヒャルト・ワーグナー『ワルキューレ』第1幕
ジークムント:クラウス・フロリアン・フォークト
ジークリンデ:エレーナ・パンクラトヴァ
フンディング:ゲオルク・ツェッペンフェルト

マーラーとワーグナーでは――当然ながらというか――まったく違う
アプローチの音楽づくり。1曲目から実に精妙なオーケストレーショ
ンが紡ぎ出された。正直な感想を言えば、過去のこのオーケストラは
“下手くそ”というか、どうにも中途半端な印象しか持ち続けていな
かったのだが、6月にアンドリス・ネルソンスの指揮で『ルサルカ』
を聴いた時、あれっと思ったのは間違いではなかったようだ。

ゲルネが歌うマーラーは、ゆったりしたテンポで深々とした低音を聴
かせる。NHKホールという巨大な空間なので、ラインの伝説では聴
き取りにくかったが、次第に音響にも慣れてきたようで、卓越した表
現に感心した。前述したとおりでペトレンコの精妙な音楽に加えて、
伴奏サポートもまた見事なものだった。

さて、休憩後の『ワルキューレ』第1幕。贅肉をそぎ取ったオケのよ
く鳴ること。基本インテンポで進みつつ、歌手が歌うのには徹底した
気配りで合わせていくペトレンコ。オペラとは歌手との呼吸合わせだ
ということを改めて認識させられたのである。

フローリアン・フォークトのジークムント、パンクラトヴァのジーク
リンデ、ツェッペンフェルトのフンディングの3人は、オペラの舞台
と何ら変わることのない、小さな動作の一つ一つが登場人物になりき
っていたようだ。

双子の兄妹が逃亡するフィナーレの一気呵成さに客席は大喝采となっ
たのである。

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