搏話§鶴クァルテット第3回演奏会

台風21号“ラン”が接近、しかも衆議院議員選挙投票日という日曜日
の午後、和光大学ポプリホール鶴川で行われた鶴クァルテット第3回
演奏会に行ってきた。プログラムは以下のとおり。

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ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第1番 F-Dur Op.18-1
ヤナーチェク:弦楽四重奏曲第1番 e-moll『クロイツェル・ソナタ』

**********************休憩**********************

モーツァルト:弦楽五重奏曲第4番 g-moll Kv.516

[アンコール]
バッハ:『来たれ精霊、主たる神』

青木調(第一ヴァイオリン)
猶井悠樹 (第二ヴァイオリン)
中村翔太郎(ヴィオラ)
宮坂拡志(チェロ)

臼木麻弥(ゲスト・ヴィオラ)

1曲目のベートーヴェンを聴きながら、ずいぶんクァルテットらしく
なったと感じた……偉そうだな。

とはいえ、どこか見えない枠にはまったお行儀のいい優等生的な演奏
に終始することになったのは前回とさほど変わってはいない。

そんな中にあって、2曲目のヤナーチェクは毛色の変わった音楽に、
メンバーが自分たちで考えた演奏をしていたように思った。だから、
プログラムの中にせめて一曲は、日頃演奏したことのない曲を勉強し
て聴いてもらう試みはあるべきなのだ。

無表情で虚無的と思われるヤナーチェクの音楽を、弛緩することなく
淡々と弾いたことが奏功したのではないだろうか。

メインのモーツァルト五重奏曲はゲスト・ヴィオラとして、クァルテ
ットの創立メンバーで、去年急逝した林智之の夫人である臼木麻弥が
加わっての演奏だったが、感想はベートーヴェンと同様で、見えない
枠の中で、お手本のようなモーツァルトの音楽を聴くことになった。

だがそれは、あまりにも予定調和に過ぎていたようだ。彼らが勉強し
たことを忠実に再現しているに過ぎない。正確に演奏できるだけでは
聴いていて“ひと味”物足りないのである。

表面が滑らかに仕上げられた彫刻よりも、どこかゴツゴツした作品の
ほうに惹かれるのはなぜなのか……弾けたとか合わせられたという次
元からの思い切った脱却で化学変化を期待したい。

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