連話§ワタシの酒肴[125]銀杏(ぎんなん)

[承前]

11月のはじめ、神保町へ古本まつりを冷やかしにいったそのついでに
新蕎麦が食べたくて、2年ぶりの蕎麦屋に行ってきた。

まず“蕎麦前”として、生ビール1杯と日本酒を二合。肴を何にしよ
うかと考えて、汲み豆腐と揚げ銀杏を注文した。この時期は湯豆腐が
あったはずだが、残念ながら御品書にはなく、それでも豆腐が食べた
かったのだ。

さて、銀杏である。言うまでもなく秋の味覚の季節ものにつき、何は
さておき注文することはためらわない。

銀杏の歯触りは独特である。あのむっちりとした実が芽を出して、そ
の先に数十年から百年の巨木となっていくエネルギーを秘めているこ
とを感じさせるのだ。

だから、せいぜい10粒も口にすれば十分すぎるくらいで、20粒も30粒
も食べては罰が当たってしまうだろう。

殻を割って乾煎りした銀杏に塩をまぶしてもうまいので、個人的には
油で揚げなくてもいいのではと思っている。
                            [続く]

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