懐話§昭和五十年代~フォーク並び~

[承前]

例えば銀行のATMに始まって、劇場などのトイレの列だが、かつて
はバラバラ思い思いに並んでいた。それでは非効率だということで、
日本でも“フォーク並び”が始まったのは昭和五十年代の後半頃では
なかったかと記憶する。

社会的な広がりの浸透が遅い日本においては、比較的スムーズに浸透
していったように思うが、これはいい意味での平等主義の賜物であろ
う。

銀行のATMではフォーク並びを促すべく、床面などに指示されてい
るが、劇場のトイレなどでは自発的なフォーク並びが成立するように
なった。最初はなかなか定着していかなかったが、徐々に空気を読む
ようになった結果、フォーク並びをするのが当然のこととして受け容
れられるようになった。

時には事情を理解せずに列を乱す人が現れてくることもあるけれど、
21世紀の日本の常識である。

ところで、欧米でそうしているからというのがフォーク並びの発端と
して伝えられていることに関して、確かに発祥は欧米のどこかである
ことは間違いないものの、放っておくと列などを作らずにカオス状態
でという光景が、例えばバス停や、オペラハウスの幕間時のビュッフ
ェで展開して、根源的にはそういう性質の人たちであるとも感じた。
                            [続く]

《昭和のトピックス一覧》

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック