江話§團菊祭五月大歌舞伎夜の部

水曜日に團菊祭五月大歌舞伎夜の部を観てきた。

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まずは菊五郎の弁天小僧で『弁天娘女男白浪』を。これこそまさに、
自家薬籠中の舞台という“あれ”である。さすがに菊五郎も、そして
左團次の力丸も老いを感じさせるのはやむを得ないことだが、浜松屋
の花道の出から始まって、強烈な存在感が舞台にあるのだ。

データベースで調べてみたが、菊五郎は半世紀以上に亘って弁天小僧
を務めているはずである。かくあるべしという様式が、それを超えて
リアリズムへと転化していった……そんな様を見たような気がする。

そんな二人の重鎮に対して海老蔵の日本駄右衛門、松緑の忠信利平、
菊之助の赤星十三郎はさすがに軽くて分が悪い。浜松屋では團蔵の主
幸兵衛、橘太郎の番頭与九郎が舞台を締めていた。相変わらず橘太郎
の軽妙な舞台姿に惚れ惚れさせられた。

そして、稲瀬川勢揃から立ち回りへと、さすがに安全運転な菊五郎で
はあったが、ここまでやってくれれば満足である。大詰、山門の場か
ら滑川土橋の場へと、海老蔵の日本駄右衛門の柄が小さいと感じたの
はどういうことだろう。

休憩時間に2階の大間に下りてみたら、成田山のお不動さんがいた。

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二つ目『鬼一法眼三略巻』から“菊畑”は初めて観る舞台だが、弁天
小僧で満足したほどには感じさせるところのない、正直退屈な一場。
松緑の智恵内実は吉岡鬼三太、時蔵の虎蔵実は源牛若丸、團蔵の吉岡
鬼一法眼、他。

三本目、追い出しは『六歌仙容彩』の“喜撰”を菊之助の喜撰、時蔵
の祗園のお梶で。終演は20時30分。

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