棲話§マンションの設えは誰が払う?

かつての住宅公団が建てた、築35年の団地型マンションに住み続けて
いる。特に際立った特徴があるとは思われず、どこにもありがちな、
ごくごく普通で色気のない建物である。

完成当初からしばらくは何の装飾もない出入口だったが、13年前の大
規模修繕の一環として、煉瓦様のボードを使ってデザインした入口が
出来上がり、それなりに様に見える玄関口になった。

さて、いわゆる“民間マンション”に目を転じると、様々な工夫を凝
らして入居者を集めようとしている。まずは見栄えのいいエントラン
スで目を引き、1階には共有の住民スペースを設置し、子供の遊戯コ
ーナーや、カフェのようなものまで設備しているマンションもある。

そうした設備は、これすべて購入代金に含まれているばかりか、入居
以降も管理費に上乗せされて営々と払い続けなければならないのだ。

眺めるだけで使わなくても“払わされている”のは言うまでもない。
最初は物珍しさで利用するだろうが、何年かすると無用の長物と化し
てしまうことも珍しくはなさそうで、長く活用するための手立てが求
められるだろう。

一戸建てはもちろん、マンションも個々の居住スペースは一つの箱で
ある。一番に肝要なことは、それぞれの住人がまずは居住スペースの
充実を図ることで、他人様の鑑賞に耐えられる自宅を構築していくべ
きである。

テレビ番組で日本人の住まいの有様を見ることがあると、何やら物が
雑多に置かれていて整理整頓ができていないことはなはだしく、その
あたりの心配りが第一に必要ではないかと考えるのだけれど。まずは
“自分の足元”からでしょう。

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