隅話§平成中村座~十八世勘三郎追善~

火曜日、浅草寺裏で行われている平成中村座十一月大歌舞伎夜の部を
観てきた。早いもので、十八世中村勘三郎七回忌追善である。

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一本目の『弥栄芝居賑』は芝居前の設えで、当月出演役者勢揃いでの
口上に続いて幕が開くと、舞台上にはスクリーンに映し出される十八
代目の舞台姿の数々が……揚幕が開き、花道を一本のスポットライト
が舞台へと進んでいく演出には、思わずじわっと来るものがあった。

続く『舞鶴五條橋』は7歳になった勘太郎が牛若丸を、父の勘九郎が
弁慶を務める舞踊劇。勘太郎の舞台に感心しつつ、牛若丸に従って花
道を引っ込む弁慶が、まさかの飛び六法は……七三の所作だけで飛ん
では行かず。だが、いずれは勘九郎が弁慶を務めるだろう『勧進帳』
を予感させる予告編だったと思いたい。

最後『仮名手本忠臣蔵』七段目“祇園一力茶屋の場”は、芝翫の由良
之助、七之助のおかる、そして勘九郎の平右衛門という顔合わせであ
る。ひょっとして、おかると平右衛門の兄妹を兄弟が務めるというの
は珍しいことではないか。少なくとも我々は初めてである。

芝翫の由良之助がなかなかによかった。これまで観た舞台では、常に
何か不満を抱くような務めっぷりだったのが、実に姿のいい由良之助
となっていた。

橋之助から芝翫を襲名して2年。大歌舞伎の立役が不足しつつある中
でようやく固まりつつあると思いたい。

終演は19時50分だった。行きは銀座線を使ったが、帰りは都営浅草線
から都営新宿線に乗り換え、京王線直通を待ち、馬喰横山から座って
帰ることができた。

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