継話§水泉動~七十二候~小寒

小寒の次候“水泉動(しみずあたたかをふくむ)”である。

七十二候の候名称だが、冬至の頃から春らしくなっていることに気づ
かされる。

雪の下に麦の芽が出ていたり、芹が生え始めたり、そして水が温かい
と感じたり。古の人たちは、冬至を越えた先々が見えていたのだ。

生まれ故郷の実家は、人口10万超の小都市のど真ん中にあったが、な
ぜか上水道――下水道も――が引かれておらず、三軒長屋に住んでい
た住民は、一つの井戸を食事の準備から洗濯といった家事のすべての
生活用水として使っていた。

ご存知のとおり、地下水である井戸水は、四季を通じて水温の変化が
少ない。おかげで夏は冷たい水でスイカを冷やしたり、冬は水道水の
ような冷たさを感じずに済んだありがたい存在だったのである。

そんな三軒長屋に水道が引かれたのは、確か東京オリンピックの年、
小学校4年だったかと記憶しているが、水道が引かれても井戸のある
生活が途切れたわけではなく、依然として重宝していたのだった。

《七十二候のトピックス一覧》

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