浄話§富士山の見え方

多摩丘陵に住み始めて、とっくに30年を超えてしまっている。その長
い期間を、家から富士山が見えるロケーションで過ごすことができて
いる。

気象条件が悪い時以外に姿を認めることができないのは、春霞の頃と
か、地平線の大気がボーっとしている時くらいなもので、それ以外は
真夏でもキリっと晴れれば、雪を被っていない黒富士を望めるのだ。

記憶をたどるなら、昭和三十年代の高度経済成長期に発生が始まった
スモッグのおかげで、東京から富士山の姿を見ることが難しい時期が
続いていた。

昭和五十年代のあたりから、自動車の排気ガス規制、その他工場から
の排出ガスに対する規制が厳しくなっていったことで、富士山の姿を
日々見ることができるようになったのである。

かつて東京から富士山の姿を眼にすることができたのは、工場の操業
が休みに入り、冬の空気が澄みきった年末年始の頃に限られていた。

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多摩丘陵に住み始めた1980年代の初めには、既に富士山の姿を冬以外
でも見ることができて、しかも自宅からも見えることに、ささやかな
がらな幸せを感じているのである。

《富士山のトピックス一覧》

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