懐話§昭和五十年代~リクルートスーツ~

[承前]

大学卒業を前に就活していたのは、1977年(昭和52年)のことである。

その当時に“リクルートスーツ”なる概念は存在していたかもしれな
いが、実際に自分が会社訪問に着て行っていたのは、ごくごく普通の
ブラウン系の上下で、リクルートスーツの類ではなかったのだ。

同様に他の連中で、いかにもリクルートスーツを着ていた人間がいた
かどうかの記憶はない。翌年の入社式の折に撮影した写真を見ても、
同期入社16人が着ていたスーツは思い思いのものなので、リクルート
スーツの類ではなかった。

それが翌年以降、一学年下の就活生による会社訪問の様子を思い出す
なら、まさにリクルートスーツが幅を利かせ始めていたのである。

つまり、記憶の限りでは1978年にリクルートスーツが出現したことに
なるのだが、そうしたスーツを着て行きましょうといったメッセージ
を、リクルートなどが出していた就活雑誌でアナウンスしていたのか
どうか、見ていないのでわからない。

そんなリクルートスーツをほぼ全員が着ていたのは、その翌年1979年
だったが、こうして特徴を消し去っていくのだなと思ったのだった。

どうして、リクルートスーツについて書こうと思ったのかというと、
つい最近のニュースで資生堂が「面接は服装自由の私服でどうぞ」と
打ち出したのを眼にしたからである。

これを就活生たちがどう捉えるものか、それについては興味津々では
ある。一社程度でリクルートスーツの40年が消滅するなどとは思わな
いが、リクルートスーツの存在を知った時から、個人の資質を量るこ
とのできない存在だと感じていたので、特にクリエイティブを旨とす
る企業が後に続いてほしいと思っているのだ。
                            [続く]

《昭和のトピックス一覧》

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック