咲話§願はくは花のもとにて
西行法師が晩年に詠んだ一首が、誰もが一度は聞いたことのある……
願はくは 花のもとにて 春死なむ
その如月の 望月のころ
……そう西行が願ったとおり旧暦2月16日、新暦3月31日に亡くなっ
た。まさに桜が咲いていたその時期だった。
奇しくも、六代目中村歌右衛門が逝去したのは、西行と同じ3月31日
のことだったが、中村梅玉と魁春兄弟が成駒屋の遺骨を持って思い出
の地を巡った際、歌舞伎座に立ち寄ると、舞台に『京鹿子娘道成寺』
の舞台が設えられていたという。
同じ死にゆくのであったら、満開の桜が散っていくのを眺めながらと
いう案配であればなあとは、誰もが思うことではないだろうか。もち
ろん、どの季節にという希望は人それぞれではあるけれど。
こうして桜の季節を迎えると、毎年毎年思い出すのは似たようなもの
で、思い出すには思い出すなりの印象深さがあるということなのだ。
そして思うこのもまた変わることなく……あと何回、桜の花を目にす
ることができるのだろうか……なのである。
東京の桜が満開となるまでは、一週間足らずとなった。
《日本のトピックス一覧》
願はくは 花のもとにて 春死なむ
その如月の 望月のころ
……そう西行が願ったとおり旧暦2月16日、新暦3月31日に亡くなっ
た。まさに桜が咲いていたその時期だった。
奇しくも、六代目中村歌右衛門が逝去したのは、西行と同じ3月31日
のことだったが、中村梅玉と魁春兄弟が成駒屋の遺骨を持って思い出
の地を巡った際、歌舞伎座に立ち寄ると、舞台に『京鹿子娘道成寺』
の舞台が設えられていたという。
同じ死にゆくのであったら、満開の桜が散っていくのを眺めながらと
いう案配であればなあとは、誰もが思うことではないだろうか。もち
ろん、どの季節にという希望は人それぞれではあるけれど。
こうして桜の季節を迎えると、毎年毎年思い出すのは似たようなもの
で、思い出すには思い出すなりの印象深さがあるということなのだ。
そして思うこのもまた変わることなく……あと何回、桜の花を目にす
ることができるのだろうか……なのである。
東京の桜が満開となるまでは、一週間足らずとなった。
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