週話§土曜諸相~新入社員の書店実習~

41年前、1978年に始まった会社生活の最初は“新人研修”と呼ばれる
行事が1か月半ほど続いた。

社内で会社事情あれこれのレクチャーがあったり、実技の真似事やら
印刷会社、製紙会社、書籍取次会社といった関連企業へ見学に行った
りと、まあそれなりに色々と詰め込まれることはあったようである。

研修最後の2週間ほどは、書店実習という、いわば“お世話になって
いる書店様への丁稚奉公”みたいなことをやらされて、新人全員が、
それぞれ居住地最寄りの書店に行かされたのだ。

当時、荻窪のアパートに住んでいたので、行かされた書店は中央線を
西に八王子駅前の某書店だった。

とりあえずは言われるまま、朝出勤したらすぐ取次から配送されてき
た書籍の箱を在庫管理室に運び上げ、店頭に並ばせる本と、そのまま
返本するものとの仕分け作業を手伝わされ、その後は売り場に立って
客の相手をするのである。

ところが、これができない。例えば文学関係のフロアに並んでいる小
説類が、どのような配置になっているのかまったく把握できていなく
て、客が“これこれの本を探している”と聞いてきても、どこにある
のかまったくお手上げだったのに、担当店員の人たちは得たりや応と
ばかり、さっと目的の本を差し出すのだった。

とにもかくにも、うかがった書店に迷惑をかけないようにと、これば
かりを考えて荻窪を八王子を往復していた……そんな記憶である。

楽しかったといえば、年代の近い店員さんとはすぐに打ち解けて、数
日後には夜の呑み会に付き合ったり、最後はお別れ会までやってくれ
たのは本当にうれしいことだった。

41年前の今頃は書店実習も終わりに近づいていて、会社に戻った後の
配属先がどこになるのか気もそぞろとなりつつあったのだ。

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