連話§ワタシの酒肴[138]切り干し大根

[承前]

きっとたぶん一度書いているような気がする。だが改めて、もう一度
書いておこう。

これはもう年齢的なるもののゆえだろうと思うのだが、もちろんこっ
てりした肉料理を口にする機会は多いけれど、切り干し大根のような
“箸休め”的なるものをありがたいと感じるようになってしまった。

それこそ日本料理の炊きもの的なるものが好物になるという……まあ
年齢を考えればむべなるかなである。若い頃、定食屋のような店で、
御品書にあっても、一瞥すらしなかったことを考えれば、人間変わる
ものである。

それにしてもと思うのは油揚げという魔物のような存在で、切り干し
大根はもちろん、例えば水菜(壬生菜、京菜)を京風にあっさり炊いた
中に油揚げを合わせると、油揚げが出汁の旨みを吸い取って、何とも
魅力的な効果を発揮してくれるのだ。

切り干し大根のように煮切ってしまっても、水菜の炊いたんのように
汁気たっぷりでも、どちらも野菜と油揚げの相性は抜群なのである。

いずれ、さらに齢を重ねて、一合ほどの日本酒に、そうした精進物だ
けで満足するような時が必ずやって来るのは間違いないことである。
                            [続く]

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