驚話§エベーヌ弦楽四重奏団のベートーヴェン

凄い演奏を聴いた。プログラムは、ベートーヴェンが2曲である……

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弦楽四重奏曲 第9番 C-Dur Op.59-3 『ラズモフスキー第3番』

**********************休憩**********************

弦楽四重奏曲 第13番 B-Dur Op.130 『大フーガ』付き

饒舌な表現、しばしば顔を覗かせる即興的表現、ダイナミックレンジ
の広さ、確信に満ち満ちた演奏は、満場の客席を呆然とさせた。とり
わけ、1曲目ラズモフスキーの終楽章の息詰まるフーガの丁丁発止。

ベートーヴェンが創り出した音楽を極限まで引き上げて引き上げて、
それをステージ上で現出させてしまったのだ。音楽の愉悦を満喫した
そんな2時間だった。

一か月前、クス・クァルテットで同じラズモフスキーと13番を聴いて
いるが、その時も書いたように、クスのそれはまだまだ熟成が足りな
いと感じたが、エベーヌの演奏は一頭地を抜いたもので、この域まで
達するのは並大抵のことではない。

休憩後の13番も、彫琢はさらに徹底されて、最後まで緊張が緩むこと
がなかった。時に2楽章の短いプレストの中にも、様々な表現が見え
隠れして、どれほどの手練手管を駆使したことかと思ったのである。

13番は最近の傾向に従って、最終楽章をオリジナルどおり大フーガで
締めたが、時に暴力的なほどに荒々しい音楽が展開したが、これもま
た実演の醍醐味と言えるだろう。キャパ三百席のハクジュホールだが
こんなに響くホールだったのかと改めて驚かされもした。

ここまで聴かせてくれればアンコールなど不要。客席も盛大な拍手と
ブラボーでエベーヌのメンバーに応えたのである。

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