愉話§呑藝春秋[62]安くて旨い酒

[承前]

高くて旨い酒はあたりまえに存在している。ならば安くても旨い酒を
探そうと試みるのが、原資に乏しい年金生活者の為すべきことなので
ある。

日本酒で普段呑みは四合1000円を目安にしている。間違っても2000円
を超えるような日本酒は買わない。年末に正月用にと張り込んで、毎
年のように買い求めている島根の李白だって、2000円でお釣りがくる
レベルなのだ。

というわけで日本酒については1000円程度でも十分に満足していると
思ってはいるが、まあ……よほど甘々に過ぎるとか、水っぽいなと感
じない限りは、拘ることなく呑んでいると思っていい。

ただし、甘くてもいい日本酒もないわけではない。一か月前、尾瀬に
上がった時、土産にと日本酒揃いのいい店でエイヤっと選んだ一本を
持って行って冷やして呑んだら、これが原酒系の甘口タイプだった。
だが、単に甘いというだけではなく、他の要素も持ち合わせていたが
ゆえに、特に酒肴を考えずとも“酒だけで呑める”類の酒だったので
ある。

その酒の値段は2000円を軽々と超えていたのだが、普段呑みの日常酒
で、そんな贅沢は時折しかできない我が身ゆえ、せいぜいは安くて旨
い酒を確保しておきたいものだ。
                            [続く]

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