変話§楓蔦黄~七十二候~霜降

霜降の末候“楓蔦黄(もみじつたきばむ)”である。

尾瀬でアルバイトをしていて、一度だけ小屋閉めを手伝ったことがあ
る。今は10月半ばから最終週に閉めて下山しているが、40年以上前は
文化の日をもって閉めていたのだ。

その年は、それほど冷え込みも厳しくはなかったと記憶していて、湿
原に霜は落ちたけれど、雪が降ることはなくそれはありがたかった。

小屋主が出入口の戸を厳重に閉じ、小屋主は檜枝岐村に、我々は鳩待
峠から片品村の戸倉へと下りていったのである。帰り道の尾瀬ヶ原は
草紅葉も終わって、すっかり枯れた寂しい風景が広がっていたのだ。

尾瀬ヶ原東端の下田代十字路から鳩待峠が9kmほど。鳩待峠に着いて
もバスなど交通の便はなかったので、さらに10kmを延々と歩いて戸倉
へと下りていったが、5時間くらいかかったのではなかったか。まだ
まだ体力があった二十代初めのことゆえ、20kmの歩行が苦になること
などなかったようである。

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