券話§チケットの取り方[上]プレイガイド

東京に出てきて気がつけば半世紀近くが過ぎていた。

東京で生活をする中に、クラシックの演奏会を聴きに行くというのが
目的の一つとして存在していたが、乏しい仕送りの中でやり繰りして
何とか年に数回程度というのが、就職するまでの頻度である。

その当時、チケットを調達するのは、あちこちで営業していたプレイ
ガイドがメインで、そこに行ってチケットを購入していたのだ。

店に配分されているチケットの中から、対面販売で演奏会場の座席表
を眺めながら選ぶのだった。

そうして、最初に外来公演のチケット行列に並んだのは1977年に来日
するカール・ベーム&ウィーンフィルの演奏会で、竹橋の毎日新聞社
の前だった。主催者の一つだったからというのが並んだ理由である。

特に著名指揮者と名オーケストラの来日公演は、初日の発売でほとん
どチケットが捌けてしまうから、一晩程度の行列は珍しくなかった。

東京で暮らし始めた最初の10年ほどは、プレイガイドと行列でチケッ
トの確保をしていたから“古き佳き時代”であったということであろ
う。

そうして1980年代の初めから、チケット販売システムに大きな変化が
訪れることになるが……その件については、項を改めてまた次回に。
                            [続く]

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