戒話§酒は呑んでも呑まれるな

政治家だったが、現在は“ただの人”の死についてである。

残念ながら、浴びるほど酒など呑むことはない。若い頃の失敗はとも
かく、何かの腹いせに酒を呑んだり、酒を呑んで他人様に迷惑をかけ
たという記憶も――たぶん間違いなく――ない。

“政治家という仕事は激務だから”というのは言い訳にもならない。
世の中、激務と呼ばれる仕事はいくらでもある。そういう仕事に携わ
っている人達のことごとくが酒にエスケープしているわけでないのは
言うまでもない。

ましてや第三者の言葉として“そんな弱さが人間らしい”などとは口
が裂けても言うべきことではない。政治家であれなんであれ、その部
分をルーズにするから甘えが生じてしまうのだ。

人間、誰もが心の弱さを持ち合わせていて、それをどう克服するかが
個々に課せられた課題だったりする。もちろん時には克服するという
努力を怠って逃げ出すことなど珍しくもない。そこまで強い人間の存
在は稀である。

自分の中の弱さと強さを自覚することができるか、そして弱さと強さ
の狭間で自分なりのやり方で自分自身をコントロールすることができ
るか……矛盾するようだが、それこそが人間個体としての強さではな
いかと思うのだ。

それで考えるのだが、結局のところ自分を律することができないまま
酒に負けてしまったような人間が政治家として国を、あるいは国民、
市民を律していくことなどできなかっただろうと考えるわけである。

【去年の今日】憬話§このたびの旅[19]ワルキューレ<Ⅰ>

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