遊話§魔笛~ピーター・ブルック~[上]

先週の土曜日、ケラー四重奏団の演奏会に続いて、埼京線を北上して
彩の国さいたま芸術劇場でピーター・ブルック演出の『魔笛』を観て
きた。通常3時間かかる上演が半分の90分に刈り込まれているのだ。

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ピアノ一台の伴奏で、歌手はタミーノ、パパゲーノ、パミーナ、パパ
ゲーナ、ザラストロ、夜の女王、モノスタトスの7人。それに加えて
「俳優」と称されるドレッドヘアの2人の黒人男性。舞台は疎らな竹
林で、この竹が小道具として使われたりもする。アリアはドイツ語で
歌われ、台詞はフランス語で語られる。

で、おもしろかったかというとピーター・ブルックの“手すさび”と
いう趣で、あっと驚くようなインパクトがあったわけでもない。ある
意味、インパクトらしきものを期待していたのではぐらかされた感が
なくもない。

毎度のことながら、こういった公演を観るにあたって、オリジナルを
あらかじめ見知っておくべきだというのは基本であると思うのだ。そ
んな前提なしに観てしまって“何だか訳がわからない……”とかいう
感想がいくつかのブログに書かれていたのだが当然のことだと思う。

こうしたものを観る上で必要な最小限の前提というものは厳然と存在
するわけで、そこをショートカットして何とかなるという類のもので
はないはずなのである。ピーター・ブルックということで“演劇的”
なるものを想像していた観客には長い90分だったと思われる。
                            [続く]

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