雅話§百人一首考[40]~しのぶれど~

[承前]

平兼盛(たいらのかねもり)

しのぶれど 色に出でにけり わが恋は
物や思ふと 人の問ふまで


上の五七五はよく覚えているが、下の七七は何だったっけなあという
はなはだ頼りない記憶の一首である。

にしても兼盛君……顔にあれやこれや、何でもかんでも出てしまって
はいけないではありませんか。

まあ、ある意味で正直者と言えなくもないわけですから、他の人から
“どうしたの、何か悩みでもあるのかな?”と心配してもらえるわけ
なのですね。

当然ながら、千年も昔の人と今の人とが同じような感情の揺れを持っ
ていたとは思えず、彼らの心根のありようを推しはかろうとすれば、
彼らが詠んだ作品を通じて想像するしかない。

ワタシ的には思っていることが顔に出てしまうタイプなので、兼盛君
の心情は何となく理解できそうな気がしている。
                            [続く]

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