雅話§百人一首考[45]~あはれとも~

[承前]

謙徳公(けんとくこう)

あはれとも いふべき人は 思ほえで
身のいたづらに なりぬべきかな


ずいぶんとヘタれた歌だなあとは、注釈を読んでの感想である。

大意は“誰にもかわいそうにと言われないまま死んでしまうのだな”
ということのようだが、容姿端麗だったと言われている人となりだっ
たとすれば、それほど悲観することはあるまいと思うのだが。まあ、
誰かの気を引こうとして詠んだ一首かもしれない……そおあたりは、
駆け引きに長けていたいたに決まっているのだ。

そういえば平安末期に“末法思想”なるものが世間を蔓延していたこ
とを思い出した。謙徳公が世を去って80年後の1052年が末法元年にあ
たるから、その流行に染まっていたということも考えられるだろう。
                            [続く]

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