輪話§ジークフリート~東京・春・音楽祭~

先週木曜日、花散らしの雨そぼ降る中、我が家から1時間車を走らせ
て東京文化会館へ。東京・春・音楽祭最大の公演である『ジークフリー
ト』演奏会形式に行ってきた……平日15時開演で開場は九分の入り。

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指揮:マレク・ヤノフスキ

ジークフリート:アンドレアス・シャーガー
ブリュンヒルデ:エリカ・ズンネガルド
さすらい人:エギルス・シリンス
ミーメ:ゲルハルト・シーゲル
アルベリヒ:トマス・コニエチュニー
ファーフナー:シム・インスン
エルダ:ヴィーブケ・レームクール
森の鳥:清水理恵

管弦楽:NHK交響楽団
ゲストコンサートマスター:ライナー・キュッヒル

最大の収穫はジークフリートを歌ったアンドレアス・シャーガーで、
三幕最後ブリュンヒルデとの長大な対話まで、疲れを知らないパワフ
ルでセンシティブな歌声を大ホールの空間に響き渡らせたのだった。

そしてジーゲルのミーメを聴くのは新国立劇場の“トーキョー・リン
グ”以来で、キャラクターと言うには声質が重くなっていたけれど、
いかにもミーメを思わせるような体躯もまた久々である。

さらにコニエチュニーのアルベリヒもドスが利いて聴きものだった。
『ワルキューレ』に引き続いてさすらい人(ヴォータン)を歌ったシリ
ンスは、ようやく性格的な声が出るようになってきたと感じたが、ま
だまだ物足りず。

女声ではズンネガルトのブリュンヒルデが“大人の女”という印象で
ジークフリートとの関係を感じさせてくれたと思った。

若いであろう……エルダを歌ったレームクールは落ち着き払っていて
さすらい人に怯むことなく対峙していたのが印象的。森の鳥は4階右
サイドの客席から歌っていたが、声が散ってしまった結果、印象もま
た散漫としか感じられなかったのは残念である。

今年もヤノフスキの指揮、ゲストコンマスのキュッヒルに率いられた
N響はしっかりしたワーグナー演奏を聴かせてくれた。前世紀から比
べるならば、金管楽器……特にホルン隊が安定しているのはすばらし
くて、2幕で首席の福川伸陽が吹いたジークフリート・ルフの見事さ
は、安定しているばかりではなく、どこに出しても胸を張れる演奏だ
と感じた。

そして2017年の東京・春・音楽祭では、四部作の最後『神々の黄昏』が
上演されるのである。

《ワーグナーのトピックス一覧》

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