蘭話§旅はなお[12]国立美術館(下)

[承前]

そしてフェルメールである。レンブラントが分散して展示されている
のと違って、国立美術館には4点のフェルメールが“名誉の間”の一
角にまとめて展示されているのだ。

↓ストリートビューで見た『名誉の間』正面に夜警、左にフェルメール4点
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その4点は『牛乳を注ぐ女』『手紙を読む青衣の女』『小路』そして
『恋文』である。で、かなりごったがえす名誉の間をフェルメールの
コーナーに向かった。

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圧倒的な存在感と思ったのは『牛乳を注ぐ女』だった。強く印象づけ
られたのは、エプロンと敷物の青色である。これがラピスラズリなど
を原料にしたウルトラマリン……まさに“フェルメール・ブルー”と
呼ばれる青色なのだ。

それに比べると――比べるとはナンセンスかもだが――『手紙を読む
青衣の女』の全体に紗のかかったような筆致は表現としては弱いので
はと感じてしまう。

そして『小路』だが、フェルメールが2枚しか描かなかった風景画の
1枚――もう一枚は言うまでもなく『デルフト眺望』だ――で、何気
ない市井の日常を何の衒いもなく表現していて、我が家の壁に飾るの
だったら、迷わずこの一枚!なのだ(無理だけど

そして、どうしたことか『恋文』が見当たらない。

↓というわけで、ぼかしておくことに
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ひょっとして旅に出てしまっているのではと思ったら、こんなページ
でアイルランドからワシントンのナショナルギャラリーと長旅に出て
いると知った。しかも間の悪いことには、我々が到着する一週間前に
不在になってしまったのである。

危ういことがもう一つあって『牛乳を注ぐ女』も、5月22日までルー
ブルに貸し出されていたという。6月初めには帰ってきていたはずだ
から、辛うじてセーフ。

かくして、所蔵されているはずのフェルメール作品を現地で見ること
ができない事態になったのは2度目……一回目はウィーン美術史博物
館の『絵画芸術』だが、これは“修復中”で見れずじまい。

今回の旅で見た5点を加えて、これまでに見たフェルメールは15点と
なった。30数点しか現存していないフェルメールの作品だが、まだ半
分にも達しておらず、だがこの先これ以上はフェルメール体験はなさ
そうである。

それ以外にも見るべき所蔵品は膨大にあったが、いささかおざなりな
態度で眺めてしまったのは申し訳なけれども、とにかくどの展示室も
人人人で“人疲れ”したのだ。

↓国立美術館前の“Iamsterdam”と人の群れ。奥にコンセルトヘボウ
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                            [続く]

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