顧話§今日の歴史~作曲者自ら指揮するも~
1805年11月20日、ベートーヴェンのオペラ『フィデリオ』初演。
ベートーヴェンといえば“高い精神性”と返ってくるような存在だっ
たりするわけだが、時に原理主義者的に道徳観に縛られているような
節が見受けられることがある。
例えばモーツァルトのオペラ『コシ・ファン・トゥッテ』を毛嫌いし
ていたらしく……確かに倫理的に問題のあるオペラには違いないが、
それならばと“貞女の鑑”を賛美するような『フィデリオ』が絶賛さ
れたかといえば、初演では見事に失敗しているのだ。
確かに、たった一度だけ観たベートーヴェン唯一のオペラは説教臭く
て実に退屈なものだった……今だに、モーツァルトのオペラのほうが
数多く上演されるのは、体によくない霜降り肉が圧倒的にうまいのと
同じことなのだろうか。
『フィデリオ』をして無味乾燥であるとまで断じるのはさすがに言い
過ぎだが、娯楽を求めて歌劇場に足を運んだら、説教された気分にな
って帰るなんていうのは避けたいというのが正直な本音なのである。
《歴史のトピックス一覧》
ベートーヴェンといえば“高い精神性”と返ってくるような存在だっ
たりするわけだが、時に原理主義者的に道徳観に縛られているような
節が見受けられることがある。
例えばモーツァルトのオペラ『コシ・ファン・トゥッテ』を毛嫌いし
ていたらしく……確かに倫理的に問題のあるオペラには違いないが、
それならばと“貞女の鑑”を賛美するような『フィデリオ』が絶賛さ
れたかといえば、初演では見事に失敗しているのだ。
確かに、たった一度だけ観たベートーヴェン唯一のオペラは説教臭く
て実に退屈なものだった……今だに、モーツァルトのオペラのほうが
数多く上演されるのは、体によくない霜降り肉が圧倒的にうまいのと
同じことなのだろうか。
『フィデリオ』をして無味乾燥であるとまで断じるのはさすがに言い
過ぎだが、娯楽を求めて歌劇場に足を運んだら、説教された気分にな
って帰るなんていうのは避けたいというのが正直な本音なのである。
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