テーマ:短歌

雅話§百人一首考[46]~ゆらのとを~

[承前] 曾禰好忠(そねのよしただ) 由良のとを 渡る舟人 かぢを絶え ゆくへも知らぬ 恋の道かな またも、いにしへびとの恋の悩みのようであります。恋歌のほとんど は“うまくいってラブラブじゃん!”みたいなものは、あまり見かけ なさそうな感じで……うまくいってなかったり、片想いでやきもきし ていたり、焦らされ…
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雅話§百人一首考[45]~あはれとも~

[承前] 謙徳公(けんとくこう) あはれとも いふべき人は 思ほえで 身のいたづらに なりぬべきかな ずいぶんとヘタれた歌だなあとは、注釈を読んでの感想である。 大意は“誰にもかわいそうにと言われないまま死んでしまうのだな” ということのようだが、容姿端麗だったと言われている人となりだっ たとすれば、それほ…
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雅話§百人一首考[44]~あふことの~

[承前] 中納言朝忠(ちゅうなごんあさただ) 逢ふことの 絶えてしなくは なかなかに 人をも身をも 恨みざらまし これもまた“恋歌”である。万葉集の時は“相聞”という分類だった のが、古今集以降は恋歌という括りになったようだ。 こうして第1首から百人一首を読み始めていくと、意外という以上に 恋愛にまつわる歌…
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雅話§百人一首考[43]~あひみての~

[承前] 権中納言敦忠(ごんちゅうなごんあつただ) 逢ひ見ての のちの心に くらぶれば 昔は物を 思はざりけり この歌を目にした時、何の考えもなしに“昔は思慮が浅かったなあ” と老人が述懐しているのかの思ったのだった。 それがどうも“熱々”にして“ラブラブ!”な恋の歌のようである。 ごちそうさまと片づけてお…
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雅話§百人一首考[42]~ちぎりきな~

[承前] 清原元輔(きよはらのもとすけ) 契りきな かたみに袖を しぼりつつ 末の松山 波越さじとは これはどうも“熱々”にして“ラブラブ!”な恋の歌のようである。 ごちそうさまと片づけておしまいにしたいところだ。と思っていて、 ふと、平安時代のラブラブな恋人たちはどのような会話をしていたの だろうと想像してみ…
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雅話§百人一首考[41]~こいすてふ~

[承前] 壬生忠見(みぶのただみ) 恋すてふ わが名はまだき 立ちにけり 人知れずこそ 思ひそめしか 恋すてふは“恋すちょう”と読む。蝶々がてふてふだということから 判読できるわけだが、こちらのほうは“恋してるんだってさ”という 意味だろうか。 ああ、引き続いて恋愛の歌であるよ。しかも一つ前と同じく、ひっそ…
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雅話§百人一首考[40]~しのぶれど~

[承前] 平兼盛(たいらのかねもり) しのぶれど 色に出でにけり わが恋は 物や思ふと 人の問ふまで 上の五七五はよく覚えているが、下の七七は何だったっけなあという はなはだ頼りない記憶の一首である。 にしても兼盛君……顔にあれやこれや、何でもかんでも出てしまって はいけないではありませんか。 まあ、…
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雅話§百人一首考[39]~あさぢふの~

[承前] 参議等(さんぎひとし) 浅茅生の 小野の篠原 しのぶれど あまりてなどか 人の恋しき 帰ってきて一週間、さて再開……詠み人も歌も全然わからないんです けれど。 千年前の人間も、今の人間も“忍ぶ恋”とやらに心乱されてしまうと いう構図であるわけだが、何となくではあるけれど、その昔の人たち のほうが…
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雅話§百人一首考[38]~わすらるる~

[承前] 右近(うこん) 忘らるる 身をば思はず 誓ひてし 人の命の 惜しくもあるかな この歌も詠んだ作者も知らない。右近というから男性かと思っていた ら女性だったりして、そういえば平安時代には女性の名前は“誰某の 娘”というだけでしか記録に残っていないという、それはずいぶんな 話だと思うのだけれど、当時の意識…
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雅話§百人一首考[37]~しらつゆに~

[承前] 文屋朝康(ふんやのあさやす) 白露に 風の吹きしく 秋の野は つらぬきとめぬ 玉ぞ散りける 大学生だった4年間の夏休みは、尾瀬の山小屋でアルバイト三昧なの だった。毎年50日から60日というもの、朝早くから小屋の雑事あれや これやをこなしたのだった。 そんな仕事の合間に、横目で尾瀬ヶ原や至仏山、尾…
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雅話§百人一首考[36]~なつのよは~

[承前] 清原深養父(きよはらのふかやぶ) 夏の夜は まだ宵ながら 明けぬるを 雲のいづこに 月宿るらむ 清原深養父という人が清少納言の曽祖父だということを、ここにくる まで知らないままだった。百人一首考をやってよかったというのは、 こういうところなのだと思いたい。 ところでまたもや“有明の月”である。つま…
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雅話§百人一首考[35]~ひとはいさ~

[承前] 紀貫之(きのつらゆき) 人はいさ 心も知らず ふるさとは 花ぞ昔の 香ににほひける 高校に入って古文を習い始めた時、一番最初に覚える名前の一人が、 紀貫之だったと記憶している。その他には在原業平だったり清少納言 というところだろうか。 とか……知っているつもりだったのに、実は彼が詠んだ歌は百人一首…
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雅話§百人一首考[34]~たれおかも~

[承前] 藤原興風(ふじわらのおきかぜ) 誰をかも 知る人にせむ 高砂の 松も昔の 友ならなくに この一首も知らない。おまけに作者である藤原興風という名前も知ら ない……というところで、歌について考えてみる。 自らの老いを嘆いている歌で「身近にいた友人が次々に身罷ってしま う。高砂の松は大昔からあるけれど、…
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雅話§百人一首考[33]~ひさかたの~

[承前] 紀友則(きのとものり) ひさかたの 光のどけき 春の日に 静心なく 花の散るらむ 百人一首の中でも好きな歌10首の中にランクインされるのは間違いの ないところだ。 「ひさかたの」という第一句が伸びやかな雰囲気を醸し、春の穏やか な日差しの中を桜の花が何とも忙しなく散り急いでいる……日本人で あっ…
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雅話§百人一首考[32]~やまがはに~

[承前] 春道列樹(はるみちのつらき) 山川に 風のかけたる しがらみは 流れもあへぬ 紅葉なりけり しがらみは“柵”の字を当ててしがらみと読ませている。一般的には 川の中に何本かの杭を立ててそれに木の枝や竹を絡ませて、水流を緩 和させてやる。それが転じて、人間関係において“まとわりつく”あ れやこれやをしがら…
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雅話§百人一首考[31]~あさぼらけ~

[承前] 坂上是則(さかのうえのこれのり) 朝ぼらけ 有明の月と 見るまでに 吉野の里に 降れる白雪 壬生忠岑くんに続いて、坂上くんも朝帰りの歌ですかというのが考え 過ぎというのは、そうだと思うけれど……誰が好き好んで、夜の明け 切らない時に降った雪のことを歌に詠むものかと小一時間なのです。 2回連続して登…
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雅話§百人一首考[30]~ありあけの~

[承前] 壬生忠岑(みぶのただみね) 有明の つれなく見えし 別れより あかつきばかり 憂きものはなし 百人一首の中では好きな歌の一つである。この歌も言葉のリズムがい いように感じるのだ。 上の句最初“あ”と下の句最初の“あ”が重なって、頭韻が踏まれ、 “り”の字が3か所登場することで、歌にメリハリのような…
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雅話§百人一首考[29]~こころあてに~

[承前] 凡河内躬恒(おおしこうちのみつね) 心あてに 折らばや折らむ 初霜の 置きまどはせる 白菊の花 きれいな歌だなあと素直に思う。白菊の上に初霜が降りて見分けがつ かなくなってしまったよ……という、他愛のない一首だけれど、その 中に日本人が持っている季節の移ろいに対する感受性の存在をみとめ ることができる…
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雅話§百人一首考[28]~やまざとは~

[承前] 源宗于朝臣(みなもとのむねゆきあそん) 山里は 冬ぞさびしさ まさりける 人目も草も かれぬと思へば 古へと思いを馳せる時に決まって思うことだけれど、さぞ平安時代の 家屋敷の冬は寒かっただろうなということである。 ちょっと調べてみただけだが、雨戸代わりの二枚格子(半蔀)と襖程度 でしかない。板敷の…
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雅話§百人一首考[27]~みかのはら~

[承前] 中納言兼輔(ちゅうなごんかねすけ) みかの原 わきて流るる 泉川 いつ見きとてか 恋しかるらむ あ……この歌は全然知らないぞ。本当に知らない。26番まで、何かし ら読んだ記憶が引っかかっていると辛うじてあったのだけど、ここに 到って、とうとうまるで知らない一首に遭遇した。 この先、何首かは書く中身…
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雅話§百人一首考[26]~おぐらやま~

[承前] 貞信公(ていしんこう) 小倉山 峰のもみぢ葉 心あらば 今ひとたびの みゆき待たなむ 貞信公が、菅原道真を太宰府へと失脚させた、藤原時平の弟であると 初めて知った……平安貴族が“雅”であるなどとは毛頭思わないのだ けれど、権謀術数を弄しながらも、歌を詠んだりすることで、その時 代における趣味人たろうと…
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雅話§百人一首考[25]~なにしおはば~

[承前] 三条右大臣(さんじょうのうだいじん) 名にしおはば 逢坂山の さねかづら 人にしられで くるよしもがな いよいよ怪しくなってきた百人一首考である。ここまで、歌人の名前 は知っていても歌は知らないとか、あるいはその逆もあったりするも のの、さて三条右大臣は知らないし、この歌も記憶に薄っすらとしか 残って…
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雅話§百人一首考[24]~このたびは~

[承前] 菅家(かんけ) このたびは ぬさもとりあへず 手向山 紅葉の錦 神のまにまに 菅家とは菅原道真公のことである。何やら縁遠い人だと思っていたら 歌舞伎『菅原伝授手習鑑』のおかげで、少しばかり身近な存在となっ て、もう10年余りということになる。 もっとも、菅原伝授の中でも『寺子屋』か『車引』ばかり観…
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雅話§百人一首考[23]~つきみれば~

[承前] 大江千里(おおえのちさと) 月見れば ちぢにものこそ 悲しけれ わが身一つの 秋にはあらねど 大江千里が詠んだこの歌の最終節にある字余りについて考えてみた。 ……あくまでも、私見に基づく単なるこじつけというか、感想として 受け留めてほしい。 千里が「秋にはあらねど」と、七文字のところ八文字を費やし…
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雅話§百人一首考[22]~ふくからに~

[承前] 文屋康秀(ふんやのやすひで) 吹くからに 秋の草木の しをるれば むべ山風を 嵐といふらむ ずっと“ぶんや”と読んでいたが、実は“ふんや”なのであるぞよ。 [15]を過ぎたあたりから、どんどん怪しくなってきた百人一首考だが ところどころ切れ切れに記憶の海を漂っている歌が現れてくるのだ。 これも…
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雅話§百人一首考[21]~いまこむと~

[承前] 素性法師(そせいほうし) 今来むと 言ひしばかりに 長月の 有明の月を 待ち出でつるかな うーむ、これもしみじみ読んだ記憶はないなあ。 相手の女性が「すぐ行くわ!」と言ったのに、なかなか来ないで…… と思っているうちに夜が明けてきちゃったじゃん。有明の月とは有明 海に出る月ではあらで、月が空に残っ…
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雅話§百人一首考[20]~わびぬれば~

[承前] 元良親王(もとよししんのう) わびぬれば 今はた同じ 難波なる みをつくしても 逢はむとぞ思ふ この歌のおかげで“澪標(みおつくし)”というものの存在を知った。 そして“澪標”と“身を尽くし”という掛詞であることも知らぬ間に 覚えたのである。 小学生や中学生のレベルで、一つの言葉に複数の意味が込め…
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雅話§百人一首考[19]~なにはがた~

[承前] 伊勢(いせ) 難波潟 みじかき芦の ふしの間も 逢はでこの世を 過ぐしてよとや この歌は下の句「逢はでこの世を過ぐしてよとや」というリズム感が 子供心にも印象的なのだった。とりわけ“過ぐしてよとや”の部分を 勝手に“過ごしてよだとさ”みたいな捉え方をしていた節があって、 もちろん正しい解釈ではなかった…
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