テーマ:短歌

雅話§百人一首考[18]~すみのえの~

[承前] 藤原敏行朝臣(ふじわらのとしゆきあそん) 住の江の 岸による波 よるさへや 夢の通ひ路 人めよくらむ さてさて、とうとうやってきましたよ……どうにも、記憶ファイルに 収録されていない一首が。 この歌をもとに何を書こうかと考えたが、うんともすんとも出てこな いので、しかたがないので大阪市住之江区付近…
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雅話§百人一首考[17]~ちはやぶる~

[承前] 在原業平朝臣(ありわらのなりひらあそん) ちはやぶる 神代も聞かず 竜田川 からくれなゐに 水くくるとは やってきました「ちはやぶる」……いや、お気に入りの一首であると かでなく、落語『千早振る』の元ネタになったとは、他にも百人一首 を題材にした落語には『崇徳院』のようなものもあるけれど、これほ ど馬…
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雅話§百人一首考[16]~たちわかれ~

[承前] 中納言行平(ちゅうなごんゆきひら) たち別れ いなばの山の 峰に生ふる まつとし聞かば 今帰り来む 在原行平は業平の兄である。このあたりから、そろそろ記憶にない歌 が増えてきて、どんどん怪しくなってくる頃合いなのです。 もとより、それほどまじめに取り組むことのなかった百人一首だから 気になる歌やリ…
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雅話§百人一首考[15]~きみがため~

[承前] 光孝天皇(こうこうてんのう) 君がため 春の野に出でて 若菜つむ わが衣手に 雪は降りつつ まだまだ記憶に残っている歌が出てきて、少しばかり安心している。 この歌を初めて読んだ時、情景がすぐに浮かんだのは、十代になった ばかりの少年にしても理解しやすい歌だったということである。 ところが歌の本意は…
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雅話§百人一首考[14]~みちのくの~

[承前] 河原左大臣(かわらのさだいじん) 陸奥の しのぶもぢずり 誰ゆゑに 乱れそめにし われならなくに ネジバナがもじずりのことだと知ったのは、尾瀬の山小屋でアルバイ トを始めた最初の年のことである。 なるほど可憐な花だなと思った。尾瀬といえば水芭蕉やニッコウキス ゲばかりが有名だけれど、それ以外に…
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雅話§百人一首考[13]~つくばねの~

[承前] 陽成院(ようぜいいん) 筑波嶺の 峰より落つる 男女川 恋ぞつもりて 淵となりぬる 万葉集で恋の歌は“相聞”という分類をされていたが、古今和歌集以 降の勅撰和歌集では“恋歌”と、そっけないというか直截的になって しまった。 相聞は、お互いに相手の消息を聞きあうという意味だが、その響きは 気遣いに…
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雅話§百人一首考[12]~あまつかぜ~

[承前] 僧正遍昭(そうじょうへんじょう) 天つ風 雲の通ひ路 吹き閉ぢよ をとめの姿 しばしとどめむ 何とも爽やかな風を感じさせる一首ではないか……五月晴れの青空に 雲が数片、その中空に行き場を失った天女がふんわりと浮いて、彼女 を見上げてにんまりな遍昭という構図を想像している現代人である。 六歌仙の一人…
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雅話§百人一首考[11]~わたのはら~

[承前] 参議篁(さんぎたかむら) わたの原 八十島かけて 漕ぎ出でぬと 人には告げよ 海人の釣舟 なんとも豪快な一首であると長いこと思っていたのだが、参議篁と呼 ばれている小野篁(おののたかむら)は、遣唐使で渡航に失敗すること 2度、3度目の渡航の時は、遣唐大使とトラブルを起こして、渡航を 拒否したことで、篁…
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雅話§百人一首考[10]~これやこの~

[承前] 蝉丸(せみまる) これやこの 行くも帰るも 別れては 知るも知らぬも 逢坂の関 蝉丸が作ったこの歌も、百人一首に接した最初期に覚えたものだった と思う。理由は実に簡単で、小学校高学年の人間にしてみれば、歌に 何がなしなリズム感があって、すぐに覚えることができたのだった。 「これやこの」と「行くも帰…
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雅話§百人一首考[9]~はなのいろは~

[承前] 小野小町(おののこまち) 花の色は うつりにけりな いたづらに わが身世にふる ながめせしまに 気まぐれに百人一首のエントリーを始めているうちに一か月が経とう としている。今の目論見としては、週2回のペースで書き進められれ ばいいと思っているので、今のところ順調と言えるだろう。 九首目にして小野小…
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雅話§百人一首考[8]~わがいほは~

[承前] 喜撰法師(きせんほうし) わが庵は 都のたつみ しかぞすむ 世をうぢ山と 人はいふなり 喜撰法師は六歌仙の一人であるのだが。古今和歌集の選者である紀貫 之は、序文としてしたためた“假名序”の中で喜撰法師について…… 宇治山の僧喜撰は、言葉かすかにして、初め終りたしかならず。 言わば、秋の月を見るに…
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雅話§百人一首考[7]~あまのはら~

[承前] 安倍仲麿(あべのなかまろ) 天の原 ふりさけ見れば 春日なる 三笠の山に 出でし月かも 高校2年の時に修学旅行があった。目的地は奈良と京都だったが、新 幹線で京都に着き、まずはバスで奈良へ向かった。午後に着いたので 東大寺の大仏殿に入ったところで初日の日程は終了。若草山の麓から 春日大社を横目に少し遠…
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雅話§百人一首考[6]~かささぎの~

[承前] 中納言家持(ちゅうなごんやかもち) かささぎの 渡せる橋に おく霜の 白きをみれば 夜ぞふけにける 百人一首第六首である。五首までは問題なく諳んじていた。それが、 何とも不思議なことに、この歌がすっ飛ばされていて次の“天の原” から10首ほどは諳んじていたのだ……これは、いかなる理由なのか。 そも…
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雅話§百人一首考[5]~おくやまに~

[承前] 猿丸大夫(さるまるのたいふ) 奥山に 紅葉踏みわけ 鳴く鹿の 声きく時ぞ 秋は悲しき 百人一首も第五首となった。このあたりまでは順調に諳んじているの だが、物覚えが少しずつ切れ切れになっていき始めるあたりである。 小学生で百人一首に触れた最初期にあって、猿丸大夫のこの歌のよう に、情景と感情とがわ…
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雅話§百人一首考[4]~たごのうらに~

[承前] 山部赤人(やまべのあかひと) 田子の浦に うち出でてみれば 白妙の  富士の高嶺に 雪は降りつつ 万葉集に所収されていた時は以下のような歌だったのだが、百人一首 掲載にあたり選者である藤原定家によって改作されている。 田子の浦ゆ うち出でてみれば 真白にそ 富士の高嶺に 雪は降りける 現代人に…
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雅話§百人一首考[3]~あしびきの~

[承前] 柿本人麻呂(かきのもとのひとまろ) あしびきの 山鳥の尾の しだり尾の ながながし夜を ひとりかも寝む 上の句「あしびきの山鳥の尾のしだり尾の」は、言ってしまえばこれ すべてが飾りで、下の句の“長い夜を独り寝することになるんだな” が、この歌の意味するところでしかないのだ。百人一首の第三首。 古文…
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雅話§百人一首考[2]~はるすぎて~

[承前] 持統天皇(じとうてんのう) 春すぎて 夏来にけらし 白妙の 衣ほすてふ 天の香具山 古語で蝶々を“てふてふ”ということは、比較的早い時期に知ってい たように記憶している。その刷り込みがあるものだから、下の句にあ る「衣ほすてふ」を、一般的な現代語訳“衣をほすという”ではなく “蝶々が衣(羽根)を乾かし…
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雅話§百人一首考[1]~あきのたの~

[承前] 天智天皇(てんじてんのう) 秋の田の かりほの庵の 苫をあらみ わが衣手は 露にぬれつつ “百人一首”全百首は、天智天皇の「秋の田の」の歌から、順徳院の 「ももしきや」まで、おおよそ古い歌人から新しい歌人へと時代順に なっている。百人一首の解説本や参考書の類も、よほどのへそ曲がり でない限りは、この“…
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雅話§百人一首考~新連載スタート!~

何を思ったか、ふと気まぐれを起こして“小倉百人一首”全首を肴に 自分なりの御託を並べてみようなどと考えた。 とはいうものの、百首全部を諳んじているわけでもない……せいぜい 20首くらいで、残りはうろ覚えだったり、読んだことがあるとか、見 た記憶があるという程度でしかない。 それでも百首をざーっと眺めると、そのほとんどは…
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呟話§一言つぶやき~業平橋駅が・・・~

とうきょうスカイツリー駅という“何だかな駅名”に改称された…… ……というのは数日前のことで、由緒ある“業平”という名前が消え てしまったことを嘆く人間が多いのは紛れもない事実だが、実は既に 業平橋という名称の橋が存在せず、旧業平橋の駅からは川一本隔てた ところに墨田区業平として残るのみなのである。 【去年の今日】独話…
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秋話§金色の ちひさき鳥の・・・

金色の ちひさき鳥の かたちして           銀杏ちるなり 夕日の岡に ……与謝野晶子の歌である。銀杏の葉が色づいて盛んに落葉する頃に なると頭の中で朗読が始まるのである。確か中学校の国語の教科書で 取り上げられていたと記憶しているが、何を考える必要もないくらい の描写である。そうであるから、平凡な出来の頭の片…
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薄話§桜咲く さくらさく サクラサク

肌寒いという実感が強かったので、桜の開花は今週末くらい だと思い込んでいたら咲き出した。個人的にはフライングの ような気がする。 前話で“死”について書いたが、このところもう何年も何年 も「ああ、また今年も桜に出合えた」と感傷的になる。そし ていつも、開花直前の赤く爛熟した蕾から薄紅の花が咲き、 2週間後の花吹雪までの時…
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理話§短詩の解釈の難しさ

今年になってからだったのか、ちょっと記憶が曖昧なのだが A新聞の短歌投稿欄の作品でおもしろい評が載った。 選者はS氏である。選ばれた短歌全部は忘れてしまったが、 動物園とからめて“モノレール ルルルルル……”という印 象的な句があった。全体の様子から察して、即座に多摩動物 公園と多摩都市モノレールについて詠ったものと理解し…
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