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help リーダーに追加 RSS 音話§ヨハン・ゼバスティアン・バッハ……3

<<   作成日時 : 2005/07/15 12:21   >>

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浪曲の『森の石松』ではないが「何か肝腎なものを忘れちゃ
いやせんか?」というわけで、バッハではいくらでも肝腎な
曲を思い出す。思い出すたびに、あまりに広大な世界に自分
の小ささを思い知ることになる。

『無伴奏チェロ組曲』である。概してバッハの曲は“夜”を
感じさせたり、夜聴くのが似合っている曲が多いような気が
するが、その中でもチェロ組曲とかゴールドベルク変奏曲と
かはその感が強い。

居間の照明を落として、蝋燭を2つか3つ点ける。度数の強
い酒をショットグラスに入れて、オーディオの音量も普通よ
り小さめで流す第一番のプレリュードのアルペジオの奥深さ。
ごく単純なト長調の和音構成から、バッハの展開の自然さに
ひきこまれてしまう。

初めて聴いたのはピエール・フルニエの端正なチェロだった。
今よく聴くのはアンナー・ビルスマで、これは聴き飽きない。
古典中の古典と言われて神格化されているカザルスの録音を
聴いたのはそういった演奏を散々聴いた後だったので、残念
ながら、この曲の発掘者としての意味合いしか感じられなか
った大罰当たり者である。

もし最初にカザルスを聴いていたらこんなことは思わなかっ
たかも知れない。巷間の評判にすっかり及び腰になって先延
ばしにしてしまったことが悔やまれる。

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